
こんにちは、TENSAY世田谷の永田です。
今日は腸と便のお話です
便と聞くと汚いイメージが先行するかと思いますが、東京大学名誉教授の服部先生のお話を聞くと「便は無限の可能性」があるのではと考えさせられます。
かつて、腸は単に食べ物を消化し、排泄するためだけの「管」だと考えられていました。
しかし、この20年でゲノム解析技術が飛躍的に進歩し、腸内細菌が私たちの健康、寿命、そして体質までも左右する「生命の司令塔」であることが明らかになってきました。
東京大学名誉教授であり、腸内細菌ゲノム研究の第一人者である服部正平先生の知見に基づき、科学の最前線で判明している「腸と健康の因果関係」を徹底解説します。

1. 20年前に起きた「腸内細菌革命」
腸内細菌の研究は明治時代から行われていましたが、その実態は長くベールに包まれていました。
培養できない99%の菌を可視化した「ゲノム解析」
腸内細菌の多くは、酸素に触れるとすぐに死滅してしまう「嫌気性菌」です。そのため、従来の「シャーレで菌を育てる(培養)」という手法では、全体の1%程度しか調べることができませんでした。
この状況を一変させたのが、20年前に確立された
DNA解析
(ゲノム解析)です。
便に含まれるDNAを直接読み取ることで、培養できない未知の菌を含めた「腸内細菌叢(マイクロバイオーム)」の全貌を把握することが可能になったのです。
無菌マウスが教えてくれた「菌の影響力」

研究の過程で、全く菌を持たない「無菌マウス」を用いた実験が行われました。
興味深いことに、無菌マウスは普通の菌を持つマウスよりも長生きするというデータがあります。
しかし、一方で臓器に不具合が生じたり、免疫系が正しく機能しなかったりといった弊害も確認されました。
このことから
「腸内細菌の存在そのものが、生物の生理状態を根底から作り変えている」
ことが証明されたのです。
2. 科学的に定義される「健康な腸」の2大指標

服部先生によれば、健康な人と病気の人の腸を分ける決定的な違いは、以下の2つの指標で説明できます。
① アルファ多様性(菌の種類の豊富さ)
健康な人の腸内には、1,000種類以上の菌が存在し、そのうち主要なものだけでも約400種類が検出されます。
一方、何らかの疾患を抱える人の腸を調べると、この菌の種類(多様性)が健康な人の3分の2程度にまで減少していることが統計的に明らかになっています。
② 蘇生バランス(分布の安定性)
単に種類が多いだけでなく、その分布のバランスも重要です。
健康な人では特定の菌が突出することなく「多様なバランス」が保たれていますが、病態にある人では、特定の菌が異常増殖したり、逆に必須の菌が消失したりという「組成の偏り」が見られます。
3. 「腸内細菌が病気の原因である」という衝撃の証明

かつて、病気による腸内環境の変化は「結果」に過ぎないと考えられていました。
しかし、最新の研究はこの因果関係を覆しました。
肥満は「伝染」するのか?

ジェフリー・ゴードン博士(米国)による有名な実験があります。
「肥満の人」と「痩せている人」の腸内細菌をそれぞれ無菌マウスに移植し、全く同じエサを与えて育てるというものです。
結果は驚くべきものでした。
肥満の人の菌を移植されたマウスだけが
みるみる太っていったのです。
つまり、腸内細菌は単なる同居人ではなく、宿主の代謝やエネルギー吸収効率をコントロールする「体質そのもの」を決定していたのです。
4. 「便微生物移植(FMT)」が拓く医療の未来

腸内細菌が病気の「原因」であるなら、それを正常なものに置き換えれば治療できるのではないか。
この理論に基づいたのが
「便微生物移植(FMT)」です。
難治性疾患への劇的な効果
特定の悪玉菌(クロストリジウム・ディフィシル)による難治性の腸炎において、健康な人の便を移植する治療を行ったところ、9割以上の患者が完治したという驚異的なデータがあります。
これは従来の抗菌薬治療を遥かに凌駕する成績です。
治療の課題とリスク

これほど強力な効果がありながら普及に時間がかかっている理由には、安全性とカテゴリーの問題があります。
- 未知のリスク: ドナーが表面上健康でも、その便の中に「将来病気を引き起こす因子」や「肥満因子」が潜んでいる可能性を完全には排除できません。実際に、移植後に予期せぬ体重増加が起きた例も報告されています。
- 医療の枠組み: 便は「人工的な薬」ではないため、既存の薬機法や承認制度に当てはめるのが難しく、現在は自由診療や臨床研究の段階に留まっています。
5. 血液循環を支える「電気」とミネラル

服部先生が提唱するもう一つの重要な視点は、腸内環境と血液循環の関係です。
私たちの血液は、心臓のポンプ機能だけでなく
「電位差(電気的な反発力)」によってサラサラと流れています
この電気を正しく機能させるには、適切な電解質(ミネラル)が必要です。
腸内環境が悪化し、必要な栄養素やミネラルの吸収が滞ると、血液の質が低下し、全身のパフォーマンスに影響を及ぼします。
「腸の健康」は、まさに全身を巡るエネルギーの源泉なのです。
6. 私たちが実践すべき「腸を育てる」食事法

では、私たちはどのようにして自身の腸内細菌を守り、育てればよいのでしょうか。
服部先生は、特定のサプリメントに頼る前に、以下の本質的なアプローチを推奨しています。
食物繊維の「多様性」と「量」
腸内細菌(善玉菌)のエサとなるのは食物繊維です。
しかし、1,000種類もいる菌たちは、それぞれ好みが違います。
「これさえ食べれば良い」
という単一の食材ではなく、野菜、海藻、きのこ、豆類など、多種多様な食材から、十分な量の食物繊維を摂ること。
これこそが、腸内の「アルファ多様性」を高める唯一の方法です。

「健康である理由の中に、腸内細菌の健康さが含まれていることは、もはや科学的な事実です」と服部先生は語ります。
腸は、私たちが食べたものを受け取る場所であると同時に、私たちの生命活動をコントロールするパートナーたちが住む「森」のような場所です。多様な菌を共生させ、バランスを保つこと。
それが、病気を未然に防ぎ、最高のパフォーマンスを発揮するための根源的な解決策となります。
今日から、あなたの腸内の住人たちが喜ぶ多様な食事を意識してみませんか?

TENSAY世田谷では腸内環境が整う「波動酵素教室」を開催しています。
使用するフルーツや野菜は農薬や防腐剤などの化学物質を完全に排除したものを使用します。
さらに自分の常在菌を発酵とともに増やしていき、ジュースとして取り込むことで腸内環境は整っていきます。
アレルギーは体の不調にお悩みの方は、是非一度ご参加ください